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顎関節症の診断とスプリント治療

2025年10月13日 顎関節カウンセリング記録

顎関節症 スプリント治療 リハビリテーション 歯科カウンセリング 顎関節診断
60
録音時間
2
参加者
4
決定事項
4
アクション
5
トピック数

本カウンセリング記録は、顎関節の痛みと首肩の張りを訴える患者の診断と治療計画を詳述している。患者は顎関節症3A(復位を伴う関節円板前方転位)と診断され、ハイパーモビリティの傾向も認められた。治療としてソフトスプリントとピポット型スプリントを用いた顎関節の安静化と筋肉痛緩和、そして自宅でのリハビリテーションが計画・合意され、リハビリにより開口量の改善とクリック音の消失、顎二腹筋の圧痛緩和が見られた。

患者 歯科医師

主訴・相談内容

患者は顎関節の動きの悪さや右顎関節の不調の自覚はなかったが、普段から「ものすごい首と肩が張る」と訴えていた。

また、顎関節の痛みも自覚していた。

現症・所見

  • 不正咬合分類: Angle分類はII級1類(II級傾向)。アンテリアルガイダンスがなく、咬合はタイトでオーバーネットにギミング。
  • 顎関節症診断: 3A(復位を伴う関節円板前方転位)であり、3AのBになりかけの段階。両側性3Aの可能性も示唆された。
  • 顎関節・顎運動:
    • 初期開口量は32.8mm。開口路は右顎関節が悪く、開口時に左へ偏位。
    • 開口時に下顎頭が上に上がり、初期にクリック音があった。前方運動時も左へ偏位。
    • 関節円板が前方内方転位している可能性があり、ハイパーモビリティの傾向が認められた。
    • 開口時に拳が入るほどの過剰開口が見られ、将来的な脱臼リスクが指摘された。
  • 筋触診所見: 咬筋、側頭筋、顎二腹筋に圧痛。特に顎二腹筋は「めっちゃ痛い」「激痛」と訴えがあり、下顎前方運動時のオーバーワークによる筋肉痛と診断された。左右の咬筋の厚みにも差が見られた。
  • その他: 矯正治療歴あり。

検査・診断

以下の検査と診断が行われた。

  • スプリントによる咬合調整と顎関節のマニピュレーション、リハビリテーションを実施。
  • 筋触診により、咬筋、側頭筋、顎二腹筋の圧痛部位を確認。
  • 開口路の偏位を確認するため、前方運動時の下顎の動きを観察。
  • ソフトスプリントによる早期接触の除去を試みた。
  • ピポット型スプリントによる開口量の改善を試みた。

評価・診断のまとめ:

  • 顎関節症分類は3A(復位を伴う関節円板前方転位)、3AのBになりかけの段階、両側性3Aの可能性も示唆。
  • II級1類(II級傾向)の咬合とアンテリアルガイダンスの欠如が、顎関節への負担を増大させている。
  • 早期接触が顎関節の変位と顎二腹筋の痛みの原因。
  • ハイパーモビリティにより脱臼のリスクがある。

治療計画

  • 装置の種類: ソフトスプリント(初期調整用)とピポット型スプリント。
  • 治療期間の見通し: スプリントは終身時(睡眠時)に装着。装着時間が長いほど次のステップへ早く移行可能と説明。
  • ステージング:
    1. 顎関節の安静化と筋肉痛の緩和のため、スプリントを装着。
    2. スプリント調整により、下顎の正しいポジショニングを促す。
    3. マッスルエナジー法とリハビリテーション(下顎前方運動と開口)を継続。
  • 注意点:
    • ハイパーモビリティのため、口は指3本(約40mm)までしか開けないよう指導。
    • スプリントを外すとディスクが落ちる可能性があるため、継続的なリハビリが必要。
    • リハビリテーションは、下顎を前に出した状態をキープし、力を入れずに大きく開口する運動を繰り返す。
    • 顎二腹筋へのアプローチとして、上を向いた状態で下顎をやや前に出し、顎二腹筋を触知しながら大きく開口する運動を行う。

患者との合意事項と治療成果

患者は以下の事項に合意した。

  • ソフトスプリントとピポット型スプリントを装着し、顎関節の治療を行う。
  • スプリントを終身時に使用する。
  • 口の開けすぎに注意し、指3本程度(約40mm)までに制限する。
  • 下顎前方運動を含むリハビリテーションを自宅でも継続する。

リハビリテーションにより、以下の治療成果が得られた。

  • 開口量は初期32.8mmから40mm、さらに約60mmまで改善。
  • 初期にあったクリック音は消失。
  • 顎二腹筋の圧痛が大幅に緩和された。
  • ソフトスプリントとピポット型スプリントを装着し、顎関節の治療を行う。
  • スプリントを終身時に使用する。
  • 口の開けすぎに注意し、指3本程度(約40mm)までに制限する。
  • 下顎前方運動を含むリハビリテーションを自宅でも継続する。
タスク担当期限
スプリントを終身時(睡眠時)に装着する 患者
口の開けすぎに注意し、指3本程度(約40mm)までに制限する 患者
下顎を前に出した状態をキープしたまま、力を入れずに大きく開口する運動を自宅で継続する 患者
上を向いた状態で下顎をやや前に出し、顎二腹筋を触知しながら大きく開口する運動を自宅で行う 患者
ものすごい首と肩が張る
— 患者
めっちゃ痛い
— 患者
口は指3本(約40mm)までしか開けないように指導された。
— 歯科医師