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歯科矯正におけるアライナー治療と外科矯正の戦略

2026年4月10日開催のセミナー録音

歯科矯正 アライナー治療 外科矯正 Class III 症例検討
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本録音は、歯科矯正におけるアライナー治療と外科矯正の戦略について、初期のClass III症例へのアライナープロトコル、拡大の原則と材料選択、そして成人外科矯正の計画と術前後の管理について詳細に解説したセミナーです。また、Professor Hanによる所属機関の紹介も含まれます。

講師A Professor Han

初期症例と治療戦略:若年患者のClass III、クロスバイト

症例提示:

  • 非常に若い女児の側方レントゲン写真。
  • 重度のClass III、典型的な顔貌の患者。
  • 何も処置しないと年齢とともにさらに重症化する傾向がある。
  • クロスバイトを伴う症例。

アライナー治療のプロトコル:

  • 最初のアライナーを装着したら、プロトコルは非常にシンプル。
  • アンカレッジボタン(Angle button)とエラスティックを使用。
  • 上顎の6番と5番、下顎の3番と2番の間にアングルボタンを配置し、Class IIIエラスティックを使用。
  • エラスティックの力:3/16インチ、4.5オンスを基準とする。

初期の治療結果:

  • 1年間の治療で、非常に良い咬合が得られるシンプルなケース。
  • 必要に応じてMcNamara装置を使用する場合もある。
  • 全ての永久歯の萌出、AP関係の確認が必要。
  • アライナーの動きは非常にソフト。

アライナー治療における拡大と材料の選択

拡大の原則:

  • まず扁平(狭窄)している側を矯正する。
  • 次に両側を同時に拡大する。
  • 口蓋側アタッチメントを使用する場合がある。
    • アングルフック(Angle hook)だけでは第一大臼歯にアタッチメントを装着できないため。
    • 舌側面にアタッチメントを配置する必要がある。

Class III症例での保持アタッチメント:

  • フェイスマスクと併用する場合、保持アタッチメントは非常に重要。
  • 時に最適なのは長方形アタッチメント。
  • カラベリー結節がある場合は、長方形の水平アタッチメントの配置が困難なため、特別な保持アタッチメントを要請する。
  • 最後に萌出した臼歯には常に保持アタッチメントが必要。ないとアライナーが全て外れてしまう。

材料の選択 (Master Control S):

  • Master Control Sのような選択された材料を使用することで、若い患者の拡大治療が非常に良好に進む。
  • Master Control Sは他のブランドの柔軟な材料よりも剛性が高いため、小児患者の治療においてシステムの挙動が優れている。

治療の進化:

  • 2回目のアポイントメントでAP問題は解決し、犬歯はClass Iになる。
  • クロスバイトはまだ解決されていないため、引き続き拡大が必要。
  • 後方クロスバイトがあるが、クロスエラスティックは使用せず、材料による拡大を信頼。
  • 治療は2回のアポイントメントでAP問題がClass IIに改善。
  • しかしクロスバイトは未解決のため、引き続き拡大が必要。

治療結果:

  • 3回のアポイントメントで終了。
  • 約1年間で全ての目標が達成される。
  • アライナー、エラスティック、可撤式装置のみで優れた結果。
  • 咬合面観では、まず対称性を得て、その後両側を同時に拡大する。
  • 術前と術後の変化で、全ての永久歯のためのスペースが確保される。
  • 患者の審美性も改善され、以前はClass IIIに見えた顔貌が非常に良好に見えるようになる。

外科矯正ケースの計画と準備

外科矯正の要件:

  • 成人患者で外科手術を希望するケース。
  • 全ての外科ケースにおいて、少なくとも手術の6ヶ月前までに親知らずの抜歯が必要。
  • 抜歯をしない場合、手術を延期する必要がある。

治療計画:

  • アライナー単独での補償は困難なケース。
  • 外科ケースの場合、最も難しい部分は外科医が行うため、歯科医師の仕事は歯列の整列とケースの準備が主となる。

症例例(Class III、クロスバイト):

  • 完全な前方・後方クロスバイト。
  • 目的:圧迫されている下顎弓を拡大する。上顎弓は拡大しない(必要なら手術と同時に拡大)。
  • Class III症例では、両顎弓の協調時に拡大は不要なことが多い。一方、Class II症例では多くの場合拡大が必要。

術前準備の重要ポイント:

  • 外科手術前に、スピーの湾曲を整平することが重要。
  • 手術中の適切な咬合を確保するため。
  • Class IIエラスティックを用いて、オーバーバイトを増加させ、上顎骨を可能な限り前方に移動させる。
  • これにより、審美性だけでなく、患者の呼吸(気道)も改善する。
  • この種の患者にとって、歯列よりも呼吸が最も重要。

特定の装置:

  • 下顎26番(左下第一大臼歯)に非対称なオンレーが必要な場合、技工士が臼歯の形態に合わせた萌出補償装置を設計し、オンレーの高さを維持する。
    • これはアライナー治療でのみ可能。

治療計画の詳細:

  • アングルボタンを使用し、Class IIエラスティックをアングルボタン間で活用。
  • 下顎切歯の圧下によりスピーの湾曲を整平。
  • 技工士への指示は、歯列を整平し、外科手術によってClass IIIを解決すること。
  • 外科医が最も難しい部分を行うため、歯科医師の仕事は非常に簡単。

術前処置と予期される変化:

  • 下顎弓の拡大とバイトジャンプが行われる。
  • 両顎弓を協調させると完璧なケースとなり、外科手術中の拡大は不要。
  • 圧縮されている第2象限(左上)のみ拡大。
  • 歯冠のフレアを起こしたり、上顎歯根を骨から外したりしない。
  • 下顎26番の萌出補償装置によりオンレーの高さを維持。

IPR (Interproximal Reduction):

  • ワトソン不一致を補償するためにIPRを少量行う場合がある。

エラスティックの使用:

  • アライナーとエラスティックを使用(3/16インチ、4.5オンス)。
  • 症例の単純さや重症度にかかわらず、エラスティックの力は常に同じにする。
  • 2ヶ月ごとにアライナーを交換し、エラスティックを使用。
  • オーバーバイトが増加する。患者には手術前に見た目が悪化することを説明する必要がある。
  • このオーバーバイトが手術後の素晴らしい結果につながる。

術前の目標達成:

  • アライナー13番までで、スピーの湾曲整平、クロスバイトの維持といった目標が達成される。
  • 手術前にはクロスバイトを解決しない。
  • 上顎骨を前方に移動させた後、適切な咬合が得られるため、上顎弓の拡大は不要。

術後のための準備:

  • 全ての外科ケース、特に分節上顎手術を伴う場合、術後に使用するクロスエラスティックのためにアングルボタンを常に準備しておく。
  • 術後、患者は口を開けることが困難なため、手術前にリファインメント(追加のアライナー)を要請する必要がある。
  • 術後に使用する全てのアライナーは、術前に準備しておく(術前にスタディを行う)。

技工士への指示:

  • 術後ではなく、最初の段階でバイトジャンプを計画し、手術の結果として歯を動かして適切に咬合させる。
  • メインステージの最後にバイトジャンプを、リファインメントにもバイトジャンプを依頼。
  • 術後の患者が退院した際に、何が起こるかわからないため、多くのアンカレッジボタン(Angle buttons)を依頼しておく。
    • 外科医が過矯正した場合、Class IIエラスティックが必要になる。
    • Class IIIが残っている場合、Class IIIエラスティックが必要になる。
    • 横方向の後戻りがあった場合、クロスエラスティックが必要になる。
  • 術後は患者が口を開けられないため、アングルボタンを付け忘れると、追加のリファインメントや多数のカットアウト、直接的なボンディングボタンの装着が必要になり、非常に困難になる。

パッシブアライナーの重要性:

  • 外科ケースでは多数のパッシブアライナー(治療効果のないアライナー)が必要。
  • 公的医療制度の場合、手術までの待機リストが数ヶ月に及ぶことがあるため、待機期間中に歯列を維持するために多数のパッシブアライナーが必要となる。
  • 私的医療制度の場合は問題ない(外科医に患者の準備ができたと伝えればすぐに手術)。

手術中の管理:

  • 外科医は全てのアライナーを外す。
  • 外科用スプリントを設計し、手術中使用。
  • 外科用スプリントは術後1ヶ月間、上顎にのみ固定して保持する。
    • 患者は口を開けたり食事したりできる。
    • 咬合を維持する(カプスの痕跡が残るため)。

術後1ヶ月以降の管理:

  • 術後1ヶ月が経過したら、外科用スプリントを外し、アライナー治療を再開。
  • エラスティックを使用(TADsからアングルボタンへ、またはアングルボタンからアングルボタンへ)。
  • 外科医はエラスティックを使用するために、TADs(Temporary Anchorage Devices)などのスクリューを少なくとも2つ(後方、前方)埋入する必要がある。

リファインメント:

  • ケースは準備され、術後に使用するリファインメントを依頼。
  • Class IIのアングルボタン、およびクロスエラスティック用に口蓋側(6番と7番の間、6番と5番の間)と下顎(小臼歯の近心と遠心)に2つのアングルボタンを依頼。
  • アングルボタンがないと治療が続行できなくなるため、周到な準備と計画が重要。
  • 少数のリファインメント用アライナーで症例は終了。
  • 1年半未満で非常に重度の不正咬合の外科ケースが解決。
  • 患者が指示通りエラスティックを使用すれば、リファインメントは少なく済む。

Professor Hanによるプレゼンテーション

自己紹介:

  • 中国・蘇州のProfessor Han。
  • 南京医科大学付属蘇州第二人民医院に勤務する矯正歯科医。
  • 蘇州は2500年の歴史を持つアジアの都市で、古典庭園で有名。
  • 人口約1300万人、GDP約3億5000万米ドルの都市。伝統的な美しさと活力を併せ持つ。

所属病院とセンターの紹介:

  • 南京医科大学付属蘇州第二人民医院は、蘇州市で最大の総合病院。
  • 6つのキャンパスと約6000人のスタッフを擁する。
  • 高品質の医療、教育、研究を提供。
  • 所属する矯正センターには8人の矯正歯科医がおり、年間1000人以上の矯正患者を治療。
  • 患者の約70%がクリアアライナーで治療を受けている。
  • 蘇州は住みやすく働きやすい場所で、来訪を歓迎する。

決定事項なし

アクションアイテムなし

何も処置しないと年齢とともにさらに重症化する傾向がある。
— 講師A
この種の患者にとって、歯列よりも呼吸が最も重要。
— 講師A
外科医が最も難しい部分を行うため、歯科医師の仕事は非常に簡単。
— 講師A